忘却曲線に基づいた効率の良い復習方法
忘却曲線とは?
ある事柄を記憶した後、時間をおいたらどの程度思い出せるか(厳密には思い出すのに必要な時間)、についての実験結果を図示したもの
出典: 忘却曲線 - Wikipedia
上記の図を見ると、1度も復習しない場合はわずか6日で学んだことの大部分を忘れ、逆に復習するした場合は忘れにくくなり、長期記憶となっていくことが分かります。
効果的な復習間隔
よく言われるのは、1日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月。復習の頻度が少なかったり、回数が少ないと記憶が定着せず、理解が浅いままとなる。忘却曲線をベースに、復習の方法、回数、間隔を自分なりにアレンジする。学ぶ内容や難易度により変える。
例えば、3回復習したがあまり理解していない場合、次に2週間あけて復習してもあまり意味はない。もう少し復習の間隔を短くしたり、何度も復習しても理解できない場合は学ぶ教材の難易度を下げることなどが必要。また、3ヶ月後に同一教材をもう一度復習するというよりも、試験や模擬試験を受験し理解が浅い部分や抜け漏れがあった部分を補強するなど、学習方法を工夫するのが良い。仕事で必要な知識を素早く学ぶなら、帰宅後や休日に1~2回読み込み、仕事を通してアウトプット、理解が浅い部分を補強しながら身に付けるなど臨機応変に。
忘却曲線から見る間違った勉強方法
復習しない
忘却曲線から分かるように1~2週間経てば全部忘れます。
復習の間隔が長すぎる
1~2回目の復習では記憶の定着がまだ浅いため、復習しないと忘れる割合が高いです。1回目の復習は3日以内、2回目の復習は1回目の復習から1週間以内にすべきでしょう。復習の間隔が長すぎた場合、初回学習と同様の効果しか得られず記憶が定着しにくいため、効率が悪いです。
復習の回数が少ない
忘却曲線を見ると、1回の復習ではまだ記憶が定着しておらず、3回目からある程度定着してくることが見て取れます。「何度も繰り返す」ことを意識しましょう。
1回の勉強にじっくり時間を掛ける
漢字や英単語を覚えるために、一度に20~30回書いて覚えるなどが該当します。時間の無駄となる場合が多いので止め、適切な間隔を入れて繰り返しましょう。適切な間隔で復習することで記憶が定着し、理解も深まります。そのため、一度に20~30回書くのではなく、2~3回見る、書く、聞く、発音するのを間隔を空けて繰り返した方が学習効果が高いです。
繰り返しの復習で高い成果を出している例
学習方法の具体例がリンク先の記事です。繰り返し復習することで下記を実現しています。何回繰り返すのか?、毎回の復習で意識することは何か?等々の参考になる部分が多いため、オススメです。
東大入学後は、3年次にたった1年の準備期間で司法試験に一発合格。国家公務員第I種(当時)試験もクリア。卒業までに必要な162単位でオール「優」を取得。法学部における成績優秀者として「東大総長賞」を受賞し、同学部を首席で卒業している。
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ポイントは
- 復習含め、7回繰り返し学習する。
- 復習間隔は忘却曲線でよく言われている間隔とだいぶ違い、アレンジが大きい。
- 1~7回目それぞれで意識することが違う。例えば、1回目は理解しようとせず全体像を把握するだけ。
1回目を読むとき、何より大切なのは内容を理解しようとしないこと。最初から丁寧に読んで理解しなければと考えると、「大きなストレスになるから」
3回目までは、あくまで「土台づくり」。だから、全体の理解度は2割程度らしい。
このように、1日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月という復習間隔に囚われず、学びながら自分にしっくりくる学習方法に向けて改良しましょう。